だんだん解る!段ボール





歴史と現状
シルクハット
誰でもが知っている段ボール。私達にとって非常に身近なものですが、どのようなきっかけで誕生したのでしょうか?
実は最初は輸送や梱包を目的としたものではなかったのです。
19世紀後半のイギリスでは、シルクハットという円筒型の高い帽子が流行しました。初期の段ボールはこの帽子を被る時の汗とりとして、1856年、エドワード・チャールズ・ヒーレイとエドワード・エリス・アレンの2名により作られました。波状に折ったボール紙を帽子の中に入れて汗の吸収に使ったのです。これを「フルート」といいます。これが段ボールのはじまりです。

段ボールが現在の役割を担うようになったのは、それからおよそ20年後の1875年のことでした。アメリカで火薬瓶やガラス瓶、ランプのホヤをくるむ緩衝材として使われるようになりました。波状のフルートだけでは段が伸びてしまい強度がないので片側の面に「ライナ」と呼ばれる補強用のボール紙を接着しました。これが現在でも使用されている「片面段ボール」といわれている物です。
ランプとガラス瓶 この頃から、段ボールの実用性が産業界、特に物流の分野で注目され始めました。
当初は内装用(緩衝材)として使われていた段ボールですが1894年になると外装用、木箱等にとってかわる輸送容器としても使われ始めました。最初は蓋、胴、底と分かれたスリーピース型で、後に現在のような折り畳み式に進化を遂げていきました。

日本で初めて製造されたのは1909年。井上貞治郎氏によって機械化、量産化され、商品として売り出されました。段ボールの命名もこの井上氏によるものです。
その後、小型だった製造機械は徐々に大型化し、より速く、より良質な製品を量産できるようになりました。また、段ボールに印刷する技術の開発も同時に進められ、輸送容器という目的の他に、広告としての目的をも持つ様になりました。
現在では全ての工程がコンピューターによる一元管理により製造されるようになり、物流を中心に産業界では、今や段ボールは欠かせない存在となりました。

段ボール需要分野比率(2016年)
    全  国 中部地区

《中部地区の特徴》

段ボールは、物流には欠かせない資材です。さまざまな分野で利用されています。
また、中部地方において、機械、繊維、陶磁器の比率が高いように、その地域の産業と密接に関わっているのです。
電器・機械 7.6% 15.7%
薬品・化粧品 6.1% 4.3%
加工食品 40.7% 33.0%
青果物 10.8% 7.1%
その他食品 4.5% 3.5%
繊維 2.1% 3.6%
陶磁器・雑貨 5.5% 8.8%
通販・宅配 4.8% 2.6%
その他 16.8% 20.5%
包装以外 1.1% 0.9%
    計 100.0% 100.0%
資料:経済産業省生産動態統計
経産省が公表している接続係数から算出したものです。